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第11話 何をしたか、全部見せて

Penulis: 花柳響
last update Tanggal publikasi: 2026-08-05 06:00:54
 景都は私の向かいへ座った。

「取引先の件は、もう動かさない」

「もうって、どこまでやったの」

 灯から届いたメッセージを開き、スマートフォンをテーブルへ置いた。

 〈深見さん側から取引先リストについて確認された〉

 景都の視線が画面へ落ちる。

「広報同士をつないだ。何社かには説明も入れた」

「何社かって?」

「今、一覧にしてる」

「誰が連絡したの。何を話したの」

「真帆、順番に――」

「またそれ」

 景都の口が閉じた。

 私は画面を指で押した。

「灯は知ってる。取引先も知ってる。なのに、私は知らなかった」

「説明するつもりではいた」

「いつ?」

 答えは返らなかった。

 キッチンでは、瀬名がカップを洗っている。水音だけがやけに近かった。

「一覧、できてなくてもいいから送って」

「mellow noteには共有する」

「そうじゃなくて」

 言ったあとで、自分でも何が違うのか分からなくなった。

 スマートフォンを引き寄せる。画面には、灯の名前が残っている。

「……私にも言ってよ。あとからじゃなくて」

 景都の指が、伏せていた端末へ触れた。
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